強引年下ピアニストと恋するカクテル。


「知ってる! 日本最年少で国際コンクールで優勝したイケメン!」

辺りが一気に騒がしくなり、私は颯太くんを探すより先にピアノの方へ急ぐ。

騒然としている理由は、BARの奥に置かれた白のグランドピアノの前でお時儀をしている彼への黄色い声だった。

(あああああっ 蒼村怜也だ!)
優雅に一礼した彼が、甘い笑顔で顔をあげている。
テレビや雑誌でみるよりも、なんかもっと男らしい。
華奢で天使みたいなふわふわした別世界の人だと思っていたのに、意外と身長があるせいか男らしくてドキドキしてしまう。

つま先立ちで遠くの彼を見つめると、パチンっと音が鳴りそうなほどタイミングよく目が合った。
(うわあ……目が紺碧色だ。甘くて色気が漂ってる)
息が出来ないほど目力が強い彼と見つめ合い、金縛りにあうかのように動けなくなった。

「いたいた。みいちゃん、こっちにおいで」
「颯太くんっ」
スーツ姿に花束を持った颯太くんが私の方へ駆け寄ってくる。
胸ポケットにも花が添えられていて、良く見ればBARの所々に送られてきただろう花が飾っている。

「ごめん。こんなにお客が来てくれると思わなくて。席は取ってるから美雪も待ってるよ。座って聴いてあげて」
「うん。3周年おめでとうございます」


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