強引年下ピアニストと恋するカクテル。


「うっせーな。せっかく俺がお前らの為に日本に滞在してやってるんだ! ありがたく思え。これ以上、俺に構うな」

「お、横暴! 酷い!」

理想、夢、憧れ、繊細な美少年。
そんなキーワードが、彼の暴言のたびにガラガラ崩れ去っていく。

私が想像していた人とは、かけ離れている。

「んだと?」

「い、いや、いいです。これ以上喋らないで」

さっきまで会えて、しかも生演奏まで聴けて幸せの絶頂だったのに。

憧れていた彼が、こんな横暴で口調も悪くて、怖い人になっているとは思っていなかった。

それでもさっき聴いて演奏はやっぱり素敵だったので、これ以上ファンで居る為にはテレビの中の人と、テレビの前で見る人。

これぐらいの距離に戻った方がいいんだ。
「なんだと?」
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