強引同期に愛されまして。
*
翌朝からは通常業務が始まる。
服装というものは気分を切り替えてくれるもので、いつも通りの動きやすいパンツスーツに身を包み、派手にならない程度のしっかりメイクをしたとたん、気合が入って背筋が伸びた。
「おはよう、三浦」
「あ、渡辺部長、おはようございます」
「土曜はずいぶん酔っていたけど大丈夫だったか?」
「あー、あはは。大丈夫です。田中くんに送ってもらいました」
部長も来てたんだったな。結構会社の人がいたのに醜態をさらしちゃったわね、と自己嫌悪に陥っていたら、和賀さんと一緒に歩く田中くんを見つけた。
あの野郎、朝っぱらから他の女の子に声掛けて……と思いつつ、自分も人のことは言えないので無視して会社まで行く。
デスクに座ればもう忙しい。メールチェックをしている間に、部下が数人こちらの気配をうかがっているのに気付いた。
「三浦さん、ちょっと相談が」
「はいはい」
新婚旅行中の岩田さんが一週間不在のため、彼女と組んで仕事をしていたメンツからの相談が軒並み多い。
こうしてみると、彼女は上手に彼らをまとめていたってことだよね、なんて不在中に改めて思ったりして。
今度大きめの案件がきたらリーダーを任せてみよう。案外うまくやるかもしれない。
自分の仕事に人からの相談。あとは相談してこない中堅層で、いかにもひとりで抱え込んでは頭を抱えていそうなタイプに声掛けしつつフォローする。脳内は休む間もなくフル回転だ。
お昼までは忙しすぎて、田中くんのことを思い出すこともなかった。
翌朝からは通常業務が始まる。
服装というものは気分を切り替えてくれるもので、いつも通りの動きやすいパンツスーツに身を包み、派手にならない程度のしっかりメイクをしたとたん、気合が入って背筋が伸びた。
「おはよう、三浦」
「あ、渡辺部長、おはようございます」
「土曜はずいぶん酔っていたけど大丈夫だったか?」
「あー、あはは。大丈夫です。田中くんに送ってもらいました」
部長も来てたんだったな。結構会社の人がいたのに醜態をさらしちゃったわね、と自己嫌悪に陥っていたら、和賀さんと一緒に歩く田中くんを見つけた。
あの野郎、朝っぱらから他の女の子に声掛けて……と思いつつ、自分も人のことは言えないので無視して会社まで行く。
デスクに座ればもう忙しい。メールチェックをしている間に、部下が数人こちらの気配をうかがっているのに気付いた。
「三浦さん、ちょっと相談が」
「はいはい」
新婚旅行中の岩田さんが一週間不在のため、彼女と組んで仕事をしていたメンツからの相談が軒並み多い。
こうしてみると、彼女は上手に彼らをまとめていたってことだよね、なんて不在中に改めて思ったりして。
今度大きめの案件がきたらリーダーを任せてみよう。案外うまくやるかもしれない。
自分の仕事に人からの相談。あとは相談してこない中堅層で、いかにもひとりで抱え込んでは頭を抱えていそうなタイプに声掛けしつつフォローする。脳内は休む間もなくフル回転だ。
お昼までは忙しすぎて、田中くんのことを思い出すこともなかった。