強引同期に愛されまして。
*
二次会は会社の人間が中心となって行っていた。
幹事は、山海くんの同期の永屋洋斗(ながや ひろと)くんと、岩田さんの友人である和賀香澄(わが かすみ)さん。
ふたりは恋人同士なので、打ち合わせもしやすかったのだろう。
私も山海くんの同期ではあるのだけど、岩田さんにとっては上司に当たる。
友人の結婚を無邪気に祝うには立場がありすぎて、なんだかはっちゃけることができずに奥の席で座ったまま、山海くんを冷やかして騒ぎ立てている田中くんを見ていた。
「あの、三浦さん、飲んでますか?」
幹事の一人、和賀さんが私の隣にやってくる。
思えば飲み会に参加することなどほとんど無かったこの子が、こうして幹事をするくらいまでになったのだから大したものだ。社交的な永屋くんの教育あってのものだろう。
「はい! 飲んでください」
「ありがとう」
彼女の成長を感じると同時に、この子からつがれたものは全部飲まなきゃって気にもなる。
だって、頑張りには応えてあげたいじゃない?
一気に飲み干してグラスを空にすると、「すごい! どうぞもっと飲んでください!」とまたつがれた。
無限ループだわ。恐ろしい。
まあでもいいや、和賀さんには聞いてみたいことがあったんだ。
「……どう? 永屋くんって」
「どう、とは?」
「男としてどうなの? 変に仕事はできてモテるけど、あの人他人を寄せ付けないところあるでしょう」
「そうですか?」
キョトン、と小首をかしげる和賀さん。最近変えた細フレームのメガネが似合っている。この子、こんなに目がぱっちりした子だったのねって思うくらい。
二次会は会社の人間が中心となって行っていた。
幹事は、山海くんの同期の永屋洋斗(ながや ひろと)くんと、岩田さんの友人である和賀香澄(わが かすみ)さん。
ふたりは恋人同士なので、打ち合わせもしやすかったのだろう。
私も山海くんの同期ではあるのだけど、岩田さんにとっては上司に当たる。
友人の結婚を無邪気に祝うには立場がありすぎて、なんだかはっちゃけることができずに奥の席で座ったまま、山海くんを冷やかして騒ぎ立てている田中くんを見ていた。
「あの、三浦さん、飲んでますか?」
幹事の一人、和賀さんが私の隣にやってくる。
思えば飲み会に参加することなどほとんど無かったこの子が、こうして幹事をするくらいまでになったのだから大したものだ。社交的な永屋くんの教育あってのものだろう。
「はい! 飲んでください」
「ありがとう」
彼女の成長を感じると同時に、この子からつがれたものは全部飲まなきゃって気にもなる。
だって、頑張りには応えてあげたいじゃない?
一気に飲み干してグラスを空にすると、「すごい! どうぞもっと飲んでください!」とまたつがれた。
無限ループだわ。恐ろしい。
まあでもいいや、和賀さんには聞いてみたいことがあったんだ。
「……どう? 永屋くんって」
「どう、とは?」
「男としてどうなの? 変に仕事はできてモテるけど、あの人他人を寄せ付けないところあるでしょう」
「そうですか?」
キョトン、と小首をかしげる和賀さん。最近変えた細フレームのメガネが似合っている。この子、こんなに目がぱっちりした子だったのねって思うくらい。