強引同期に愛されまして。
*
週明けの月曜日、新婚旅行から戻って来た岩田さんが、部内で定番のお土産を配っている。
グアムに行ったという話だけど、あまり日焼けはしていないようだ。
「不在の間、ご面倒をおかけしました」
「いいえ。楽しんできた?」
「はい」
彼女は幸せそうに微笑むと、他の社員にお土産配りに行った。
やがて配り終えた頃に、彼女の同期が集まって旅行の話を聞こうと賑やかしくなってくる。
仕事中よ、と言いたいところだけど、渡辺部長も黙認しているようだし、めでたい話だから少しくらいはいいだろう。
マカダミアナッツチョコを口に入れ、私も同期の冷やかしに行こうと立ち上がる。
上の階にある営業部に行く途中の休憩スペースで永屋くんと田中くんにつつかれている山海くんを発見。
三人は私に気付くと、手招きをしてくれた。
「おかえり、山海くん。改めておめでとう」
「おお、三浦ー。サンキュー」
岩田さんと違ってすっかり日に焼けた彼は、笑うと歯だけが白く見えておかしい。
「いやー旅行ってのはいいね。いつもと違う環境でふたりきり。なんか濃密さが違うよ。うちの会社リフレッシュ休暇あるじゃん、あれは絶対使うべき。十年目でとれるんだろ。お前も和賀さんと旅行行って来いよ」
山海くんが永屋くんをつつくけど、彼は「まだ二年も先じゃん。それに、俺が休みでも香澄は取れないしな」と唇を尖らせる。
そうか。そういうものもあったよね。私と田中くんは同期だから、実は一緒にとれるんじゃん?
週明けの月曜日、新婚旅行から戻って来た岩田さんが、部内で定番のお土産を配っている。
グアムに行ったという話だけど、あまり日焼けはしていないようだ。
「不在の間、ご面倒をおかけしました」
「いいえ。楽しんできた?」
「はい」
彼女は幸せそうに微笑むと、他の社員にお土産配りに行った。
やがて配り終えた頃に、彼女の同期が集まって旅行の話を聞こうと賑やかしくなってくる。
仕事中よ、と言いたいところだけど、渡辺部長も黙認しているようだし、めでたい話だから少しくらいはいいだろう。
マカダミアナッツチョコを口に入れ、私も同期の冷やかしに行こうと立ち上がる。
上の階にある営業部に行く途中の休憩スペースで永屋くんと田中くんにつつかれている山海くんを発見。
三人は私に気付くと、手招きをしてくれた。
「おかえり、山海くん。改めておめでとう」
「おお、三浦ー。サンキュー」
岩田さんと違ってすっかり日に焼けた彼は、笑うと歯だけが白く見えておかしい。
「いやー旅行ってのはいいね。いつもと違う環境でふたりきり。なんか濃密さが違うよ。うちの会社リフレッシュ休暇あるじゃん、あれは絶対使うべき。十年目でとれるんだろ。お前も和賀さんと旅行行って来いよ」
山海くんが永屋くんをつつくけど、彼は「まだ二年も先じゃん。それに、俺が休みでも香澄は取れないしな」と唇を尖らせる。
そうか。そういうものもあったよね。私と田中くんは同期だから、実は一緒にとれるんじゃん?