強引同期に愛されまして。

「あの、お茶どうぞ」


お母さんは微笑んで受け取り、手のひらで湯呑を温めるように包み込んだ。


「ありがとう。……うん。おいしいわ。ねぇ、聞いてもいいかしら。あなたと城治はいつから付き合っているの?」


あ、それ聞かれたくなかった。

知り合い度で言えば入社してからなので七、八年になりますが、付き合いだしてからはまだ一ヵ月も経っていませんとも。なのに同棲とかしちゃってるって、親的には絶対低評価に決まっている。


「えっと。同期なので長いですね。……その、一緒に暮らし始めたのは最近ですが」


うまく濁せたかな。
ぽやっとした顔でこちらを見るお母さんに、出来る限り温厚な笑みで返す。


「そう。あなたならきいているのかしらねぇ。城治、今の仕事いつまでやるつもりなのかしらねぇ」


ほほに手を当ててのんびり言われてビビった。

え? 仕事辞めるの?
聞いてないよ?

想像していた未来予想図に、ぴしりとヒビが入る。
でも、ここで動揺を見せてはいけない。なんとなくだけど、このお母さん、静かに私たちがどこまで深い付き合いなのか探っている気がするんだもの。


「えっと。いえ、今も精力的に仕事してますし。私はそんな話聞いていません」

「あらぁ、そうなの。あの子、うちの仕事はどう考えているのかしら。困ったわぁ」

「……ああ」


そうか。不動産業だって言ってたっけ。このマンションも管理してるって言ってたから結構な大手なのかな。
勝手に、兄弟が跡継ぎなんだろうと思っていたけど違うのかな。田中くんが跡継ぎなの?

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