毒舌王子に囚われました


「……ケーキ?」


少し小さめの、ホールケーキ。といっても、二人で食べるには十分大きいサイズのものに、ロウソクが立っていて。

それが……、なにを意味しているかなんて、すぐにわかった。

チョコレートベースで、苺がのっている。

美味しそうだし、可愛らしい。

ウソ。どうして。

いつの間に、用意してくれたの……?


「なんで、わたしの誕生日……」

なにをかくそう、今日は、わたしの誕生日。

でも、そんなこと……自分からなかなか言えなくて。

「そんなもの、身分証でもなんでも、書いてあるだろ」

「なるほど……」って、いつの間に見たんですか。

「普通に聞いて下さいよっ……まさか、これ手作りですか?」

「もちろん。稚沙都が寝てる隙に作った」

上手すぎます。売り物かと思いました。でも、秋瀬さんが誰かの作ったものを買うとは思えなかったので、聞いてみました。

「ず……、ずるいです」

「なんだ。一緒に作りたかったか?」

それはそれで、とっても楽しそうですが。わたしが言いたいのは、そういうことじゃなくてですねぇ。

「目隠しして、変なこといって、ビビらせといて……」

結局わたしを喜ばせちゃってるところ、本当にずるいです。

「教えろよ」

「……はい?」

「お前が想像したこと。一から十まで、全部聞いてやる」

「い、嫌です」

絶対に、言いたくないです。



< 104 / 128 >

この作品をシェア

pagetop