毒舌王子に囚われました
「……ケーキ?」
少し小さめの、ホールケーキ。といっても、二人で食べるには十分大きいサイズのものに、ロウソクが立っていて。
それが……、なにを意味しているかなんて、すぐにわかった。
チョコレートベースで、苺がのっている。
美味しそうだし、可愛らしい。
ウソ。どうして。
いつの間に、用意してくれたの……?
「なんで、わたしの誕生日……」
なにをかくそう、今日は、わたしの誕生日。
でも、そんなこと……自分からなかなか言えなくて。
「そんなもの、身分証でもなんでも、書いてあるだろ」
「なるほど……」って、いつの間に見たんですか。
「普通に聞いて下さいよっ……まさか、これ手作りですか?」
「もちろん。稚沙都が寝てる隙に作った」
上手すぎます。売り物かと思いました。でも、秋瀬さんが誰かの作ったものを買うとは思えなかったので、聞いてみました。
「ず……、ずるいです」
「なんだ。一緒に作りたかったか?」
それはそれで、とっても楽しそうですが。わたしが言いたいのは、そういうことじゃなくてですねぇ。
「目隠しして、変なこといって、ビビらせといて……」
結局わたしを喜ばせちゃってるところ、本当にずるいです。
「教えろよ」
「……はい?」
「お前が想像したこと。一から十まで、全部聞いてやる」
「い、嫌です」
絶対に、言いたくないです。