毒舌王子に囚われました
……でも、違った。
その夜、一縷さんと家に帰ったわたしは、とにかく謝った。
「色々、ご迷惑をおかけしましたっ……!」
「なんの話だ?」
ネクタイを緩めながら、鋭い目つきでわたしを見る一縷さん。
これは、一縷さんが怒っているというわけではない。元からキリっとした顔つきなせいだ。
だからこそ、とびきりの笑顔を見せられるとそのギャップにやられるわけなのだけれど……。
「いや、だって、ほら。うちで、色々、合わせてもらったじゃないですか」
「合わせた……って?」
不思議そうにこっちを見る。
「ご飯とか。あと、あの場にいるだけでも気分悪かったんじゃないですか?」
「…………」
「あれですね。もっと、綺麗なホテルのレストランとかで集まればよかったですね」
といいつつ、うちのTHE庶民って感じの家族に高級レストランは場違いすぎるなと思った。
「……全然」一縷さんが、つぶやく。
「えっ?」
「無理とかしてねぇんだけど」