毒舌王子に囚われました


一縷さんのその発言に涙が溢れてくる。

こんなに幸せでいいのかって、自分は世界で一番幸せものなんじゃないかって、そんな気さえしてしまう。


——のも、束の間。


「でも、やっぱりお前の実家、ごちゃごちゃしすぎだろ」

「……はい?」

「ズボラ女に育った意味が、よくわかった」

「なっ……!!」


やっぱり、意地悪だ。


「わたしの悪口はいいですが、お母さんたちの悪口は聞き捨てならないです」

「悪口なもんか」

「えっ……」

「感謝してもしきれない。お前のこと、こんな可愛く育てて下さって」

「はっ……」


一縷さんが、グッと近づいてくる。


「__俺のために」

「べ、別に、一縷さんのために育てられたわけじゃ……」

「それでも稚沙都は、俺好みの、俺に愛されるために生まれてきたような女だって思うよ」

「……っ、なんですかそれ」

「そう思っちゃ悪い?」

「悪く、ないですけど」

「だろ」

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