毒舌王子に囚われました
そんなことは……。
いや、どうだろう。
すっごくドキドキする。目の前の秋瀬さんの笑顔に、胸キュンせずにはいられない。
牧田部長の笑顔も素敵だけれど、なんだかそれとはまた違う。
この気持ちは一体……?
「いつまで突っ立ってんの」
「へ?」
「こっち来いよ」
「で、でも。ソファは秋瀬さんが使ってますし……」
大の男がソファに横たわっているのだ。わたしの座る余地などない。
それに、近づいていいんですか?
なんだか、わたしは秋瀬さんのそばに寄っちゃいけない気しか……しないのですが。
「いいから、来いって。可愛がってやるから」
……はい?
「か、かわ……、それは、縛られたり、ですか?」
「お前、俺のこと何者だと思ってるんだよ」
「だってぇ……」
秋瀬さん、気づいていないのですか?
今あなた、ものすごーく、不敵な笑みを浮かべていますよ……?
それって、つまりは悪巧みしているのではないでしょうか。
わたし、そっちに行ってしまうと……頭から食べられてしまいそうなのですが。