毒舌王子に囚われました


「自分はいいのかよ」

「え……」

「嫌がりもせず俺に抱きしめられてたくせに」

「だって、いきなりだったから頭が真っ白になって……」

「そんな中学生レベルの言い訳、俺に通じるとでも?」

「言い訳なんかじゃ……」

「抵抗しなかったのはお前だ。被害者ぶんな」


どうしてそんな冷たい口調で話すんですか。

そりゃあわたしは、されるがままだった。

でも、誰でもいいわけじゃない……

他の人となんて、考えられないです。

でも、秋瀬さんは? 慣れているんですか?

ああいうこと、簡単にしちゃうんですか。


「もうガキじゃねーだろ。自己責任ってわかる?」

「…………」

「まさか、俺と本気で恋人になる気あるとか?」

「なっ……」


わからない。わたしは、秋瀬さんと……

どうなりたいの?


「おいおい、冗談やめろよ。俺がお前と恋人?」

「……!!」

「ありえねーだろ」

「……わ、わたしだって、ありえないですよ。秋瀬さんと恋人になるなんて」

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