毒舌王子に囚われました
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「それで、なにをするんですか?」
となりに座る秋瀬さんに、問いかける。
「別に。お前のしたいことしてれば?」
こっちを見ずにそう答える秋瀬さんは、クールというか、もはや、ぐうたら男だ。
仕事中は、デキるといわれているだけあって、クールなりにやる気がみなぎっている(らしい)が。
今となりにいるこの男は、あくびなんてして、部屋着を着て、完全にオフ。
オーラなどない……といいたいところだけれど、オーラはある。くつろいでいるだけなのに、どうしてこんなに美しいの……?
同じ人間だと思えない。
っていうか、それよりもだ。わたしのことなんてどうでもいいみたいに見えるのですが。
まさかの放置ですか……?
「一緒に、遊んだりしないんですか?」
「は?」
いやいや、露骨に嫌そうな顔、しないでくれませんか。
「子供じゃねーんだから、1人で遊んでろ。ただし、部屋を荒らすなよ」
「え……あ、荒らすって?」
「なにかに触れるときは、必ずその前に俺に許可をとれ。そして手を洗え。あったものは、元あったへと戻すこと。以上」
細かっ……!!
そして、やっぱりわたしのこと……放置する気満々じゃないですか。
引き止めておいて、それはないですよ……!
「わたし、やってみたいことがあります」
「断る」
「ま、まだなにも言っていませんが!?」
「どうせくだらないことだろ」