毒舌王子に囚われました


 *


「それで、なにをするんですか?」
となりに座る秋瀬さんに、問いかける。

「別に。お前のしたいことしてれば?」

こっちを見ずにそう答える秋瀬さんは、クールというか、もはや、ぐうたら男だ。

仕事中は、デキるといわれているだけあって、クールなりにやる気がみなぎっている(らしい)が。

今となりにいるこの男は、あくびなんてして、部屋着を着て、完全にオフ。

オーラなどない……といいたいところだけれど、オーラはある。くつろいでいるだけなのに、どうしてこんなに美しいの……?

同じ人間だと思えない。

っていうか、それよりもだ。わたしのことなんてどうでもいいみたいに見えるのですが。

まさかの放置ですか……?


「一緒に、遊んだりしないんですか?」

「は?」

いやいや、露骨に嫌そうな顔、しないでくれませんか。

「子供じゃねーんだから、1人で遊んでろ。ただし、部屋を荒らすなよ」

「え……あ、荒らすって?」

「なにかに触れるときは、必ずその前に俺に許可をとれ。そして手を洗え。あったものは、元あったへと戻すこと。以上」

細かっ……!!

そして、やっぱりわたしのこと……放置する気満々じゃないですか。

引き止めておいて、それはないですよ……!


「わたし、やってみたいことがあります」

「断る」

「ま、まだなにも言っていませんが!?」

「どうせくだらないことだろ」

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