毒舌王子に囚われました
「……ずるいです」
「あ?」
「優しくするか、意地悪するか。どっちかにして下さいよ」
「指図すんな」
「だってぇ……」
「俺に、優しくして欲しいわけ?」
「……そ、そりゃあ、冷たくない方が」「嘘だ」
――!?
こっちに近付いてきたと思った、次の瞬間。
ベッドにドサッと押し倒された。
「……あき、せ、さん?」
「冷たくされて、嬉しいくせに」
「なにをバカなことを……いって……」
「〝苛めて下さい〟って顔に書いてある」
そそそんなこと、書いてあるわけないでしょう!
「今度は俺の頼み、聞けよ」
「へっ……?」
「抱かせろ」
「……!? ど、どこに、飼い犬に手を出す主人がいるんですか?」
「認めんの? 俺のこと主人だって」
「そういうわけじゃ、ないですけど……」
そんなすぐ近くから、話しかけないで下さい。
息がかかって……気がおかしくなりそうです。
ほら、秋瀬さん。まだ昼間ですよ。
明るいうちから、こういうこと、したくないんじゃないですっけ?
「ちょっ……と……」
大きな手が、服の中に侵入してくる。
「ど、こ、触って……」
「ほら。可愛い声で鳴いてみろ」
「そんな、声、でませ……」
「こんなとこ触られたの、初めてなんじゃねーの?」
「……っ、」
わき腹をくすぐられる。