冷徹ドクター 秘密の独占愛


「何か、ちょっとキモい人ですよね」


受付けの椅子に座って定期検診の宛名書きをしている下村さんは、極小の声でそんなことを言い出す。


「コラ。それは言わないでおこうよ」

「だって、そう思いません? ちゃんとお風呂入ってるのかなって感じだし」


小動物みたいな可愛いらしいキャラなのに、下村さんはなかなか毒舌だ。


「それはー……ちょっと思うけど」

「ほらー、浅木さんだってそう思ってるじゃないですか」

「まぁまぁ、色んな人がいるからね。でも、患者さんは患者さんだし」


そんな話をしている時だった。

後方、診療室奥の控え室へと向かう扉の向こうから、賑やかな話し声が近付いてくる。

振り返ると、開いた扉から笑顔の院長が入ってきた。

その背後から、私服にロング丈の白衣を羽織った人影が続いて現れる。

目に映ったのは、院長の姿に隠れてしまう小柄な女性の姿だった。

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