冷徹ドクター 秘密の独占愛
「素敵よね、副院長先生」
「えっ、あー、はい……」
すっかりタジタジな私は、盛り上がる関さんに苦笑いを浮かべるしかできない。
「治療も上手いし、それに、イケメン!」
「そう、ですね……」
「私みたいなおばさんから見ても、副院長先生はカッコイイわよ?」
会話の流れに困っていると、後ろから頭をコツっとやんわり叩かれる。
バッと振り向くと、マスクを顎にずらして掛けた律己先生が微笑を浮かべて立っていた。
「どうだ、終わったか」
「あ、はい!」
やってきた律己先生に、関さんはまた「うふふ」と笑う。
私たちをセットで見ると、関さんはより楽しそうだ。
「関さん、あまり浅木を困らせないでくださいよ」
私の慌てぶりで全てを察したのか、律己先生は関さんにそんなことを言う。
関さんはまたにこりと笑って、「あら、全てお見通しね」とお茶目にペロッと舌を出してみせた。