冷徹ドクター 秘密の独占愛
何か、スポーツでもしていたのだろうか。
半袖のスクラブ白衣から伸びる腕は、意外にもがっちり逞しく筋肉が主張している。
いつもは院長と分担して持ち運んでいるから、全て持ってもらうのはどうも申し訳ない気分にさせられる。
「はい」
「あっ、東條歯科医院です。往診に伺いました」
インターフォンから「どうぞお入りください」と聞こえると、黙っていた副院長が「開けろ」とボソッと指示を出してくる。
慌てて門を開け、副院長を先に通した。
肝心の治療が始まる前から、副院長の一挙一動にすでに緊張しっぱなしになっている。
このままでは凡ミスも犯しかねない。
平常心、平常心、と唱えながら玄関に向かう背中に続いた。