冷徹ドクター 秘密の独占愛
どこか店舗にでも用があるのだろうかと思いながら付いていくと、乗ったエレベーターは十階より上へ向かう住民専用のものだった。
何も言わない副院長と疑問だらけの私を乗せたエレベーターは、あっという間に目的の階に到着する。
降り立った上層階はブラウンの絨毯が敷かれ、高級ホテルの廊下のような格式高い空間が広がっていた。
等間隔にドアが点在しているフロアは、住人が五、六組いるのが見受けられる。
依然無言のままの副院長は、エレベーターを降りると左右に広がるフロアを左手へと進んでいく。
「付いてこい」と言った前に“黙って”というフレーズがついているような気がして、何も聞くことができないまま白衣の背中のあとを追った。