冷徹ドクター 秘密の独占愛


さっき顔を上げて見た景色は、駅前の通りに入ったところだった。

そろそろ医院に着くはずだった車は、地下にある駐車場のゲートバーをくぐる。

B3階まである巨大な地下駐車場は、駅前にある超高層タワーのものだとすぐに気付いた。

この辺りで最高層のタワーは、超高層マンションを中心とする複合商業施設。

十階までは色々なお店が入っているから、何度か買い物に来たこともある。

だけど、普段車には乗らないから駐車場に入るのは初めてだ。

え?え?と思っているうちに駐車スペースに車は収まる。


「あの……ここは」

「付いてこい」

「えっ」


何の説明もなく車を降りていった副院長は、振り返りもせず慣れた足取りで奥に見えるエレベーター口へと向かっていく。

訳がわからないまま車を飛び降り、あとを小走りで追いかけた。


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