冷徹ドクター 秘密の独占愛



順調だと思っていた交際に波乱が起きたのは、付き合ってちょうど三ヶ月が経ったあたりだった。

当時同僚だった篠田さんが、突然不吉な話を私に持ち掛けてきた。


「DLの市ノ瀬さん、筋金入りのチャラ男みたいだよ」


篠田さんは、私が慎と付き合っていることを知らなかった。

営業さんとお付き合いをしていると言うのは、何となく仕事がしづらくなったらと思う部分があったのと、慎の方も営業先の医院のスタッフに手を出したというのが会社に知れたら気まずいなんて言っていたのもあり、私たちの交際は秘密になっていた。


何も知らない篠田さんの話に、追求したい気持ちを抑えながら耳を傾けた。

努めてただの興味本位な態度を見せて、「何ですかそれ」と。

篠田さんの話によると、毎月行くレセプト提出で知り合い仲良くなった別の医院のスタッフから聞いた話だということだった。

飲みに行った席で、たまたま慎の話題が出たという。

『デンタルライフの営業が、うちの衛生士と付き合ってるみたいなんだけど、他の営業先の衛生士と二股してるらしくて』と。

篠田さんから出てきた二股相手の衛生士がいる医院の名前を聞けば、それはインプラント治療で名の知れた医院だった。


そこまで聞いて、ちょっと待て、と突っ込みたくなった。

だったら、私はどうなる。

その話からいけば、二股なんかじゃない。

私を入れれば、どう計算しても三股になる。

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