彼女の恋愛偏差値


カラオケ終了後。
帰宅組と三次会組に分かれた。

私は約束した通り、彼とふたりで埼京線の同じ車両に乗り込む。

半年以上同じサークルにいたのに、彼が同じ路線を使ってるなんて全く知らなかった。


苦手意識はモモのことで嫉妬していたという自己解釈に達してからというもの、自分でも驚くほど解消され。
入学してからどうして仲良くなれなかったんだろうと思うほど彼に気を許した。

武田くんは私の変わりように少し戸惑っていたけれど、嬉しそうにしていた。


私が変わったからなのか。

今まで本当にどうして苦手だったんだろうって思うくらい、武田くんとは気が合うことに気づいた。

好きな食べ物、嫌いな食べ物。
好きな映画、嫌いな映画。
好きな作家、好きな小説。
好きな音楽、好きな漫画。

私はお兄ちゃんがいるせいか、昔から漫画やゲームが大好きだったんだけど、武田くんも好きだってことが判明。

オタクなネタで大いに盛り上がった。

休日の過ごし方も似ていて。

私は友達と遊ぶのも好き。
でも、予定のない日は家でひとりでだらだらと過ごすのが好きだったりする。

だけど、そんなところもよく似ていた。


なんだよ武田。
楽しいヤツじゃん。



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