溺愛スイートライフ~御曹司に甘く迫られてます~
大切な人。
そんな風に紹介してもらえたことが嬉しくて、先ほどまでのもやもやした気持ちが消えていく。
新條の甘い笑顔を思い浮かべながら、花梨は小さく頷いた。やっぱり新條を信じて家で待っていよう。
花梨は笑顔で水谷さんに頭を下げる。
「水谷さんありがとうございます。お話が聞けてよかったです」
「え?」
何に礼を言われたのか不思議そうにする水谷さんに軽く会釈して背を向けたとき、後ろからまたしても呼び止められた。
「花梨」
振り向いた花梨の目に入ってきたのは、駆け寄ってくる新條。その後ろには先ほど見た振り袖の女性ともうひとり。
それを見た途端花梨の目は一気に見開かれた。新條よりも背後のふたりに視線が釘付けとなる。
「あんずちゃん!? それにのぐりんも。なんで!?」
駆け寄ってきた新條の横をすり抜け、後ろにいたふたりに花梨は詰め寄る。
見たこともない振り袖姿に髪もアップにしていたから後ろ姿だけではまったく気付かなかった。
「でも振り袖かわいい〜。似合ってる〜。ねぇ、のぐりん」
「え、あ、はい」
突然話を振られて、面食らった野口くんの横で田辺さんがにこにこ笑う。
「ありがとうございます。成人式の時母のお下がりでもらったんですけど、こんな時でもないと着る機会もなくて」
「だよね〜。私も実家でタンスの肥やしになってる」