召喚魔法失敗しました!?
なんとかして止めなきゃ……
ぐっと拳を握りお腹の底から声を張り上げた。
「やめて!!リック!!あなたの狙いは私でしょう!?」
どうして私は誰かを不幸にすることしか出来ないの?
自分の力でこの連鎖を断ち切らなきゃ……
すると亀裂のようなものが入る音がやけに響いて聞こえる。
いや……いや!!
こんな死に方したくない!!
バンッと大きな音が聞こえ、咄嗟に目を閉じる。
「ようやくお出ましか。騎士団長様」
リックの淡々とした声にそっと目を開ければ、目の前にゼナウスがいない。
痛む体を庇いながら、そっと地面から出るように顔を出す。
いつの間にか結界は元の大きさに戻っていた。
ゼナウスのあの禍々しさを感じない。
隠れるようにしながら場所を移動しようとする足が止まる。
リックがぽつんと立っているすぐ側で倒れているのはあの凶暴なゼナウス。
ピクリとも動かないで、影が徐々に薄くなっていた。