一之瀬さんちの家政婦君

「喜島さん、疲れてるんですよね?これ以上は申し訳ないので、ここからは一人で帰ります。
あそこは海も見えて眺めは良いところだと聞いているので休憩には最適だと思いますよ。
なので、荷物を……」


飛鳥は再度手を差し出すが、櫂人は応えようとしない。

飛鳥の疑問は募るばかりで困り顔だ。


「この年齢の男が一人ベンチで鳩ポッポにエサやりながら休憩してたら無職に思われるくない?」


「日曜だからだれも思いませんよ」


「日曜の昼下がりに男一人で海眺めてたら淋しくない?」


「男二人でも淋しいですよ」


「そうだね……」


飛鳥が本当に男であったなら、傍から見る淋しさは確かに倍増するだけかもしれない。
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