一之瀬さんちの家政婦君

彼女の言葉が最もすぎて、櫂人はこれ以上何も言えなくなってしまった。

そもそも物事を難しく考えるのが苦手だった。

何かを図ったり、駆け引きをしたりが不得意なのだ。


「もう小細工はやめた!俺が飛鳥ちゃんと休憩したいからする。店みたいに美味いコーヒーってわけにもいかないけど、缶コーヒーくらいなら出せるし。少しでいいから付き合って、な?」


櫂人はそう言うと、飛鳥の手を取ってベンチに向かって歩き出す。

飛鳥の意志などまるで無視。

彼女の脳裏で櫂人と初めて会話をした日の事が甦った。
< 46 / 151 >

この作品をシェア

pagetop