ミステリアスなユージーン
∴☆∴☆∴☆∴
岩本菜月は手強かった。
ふたりで熱くて甘い夜を過ごしたのに、次に会った時にはそれを全く感じさせなかった。
一方俺はというと……見事に落ちてしまっていた。
彼女……岩本菜月に。
俺の腕の中での彼女は本当に可愛くて、この先、この人が他の誰かのものになる日が来るかも知れないと思うだけで胸が焼けるようだった。
なのに、彼女には自分が可愛いとか魅力的だとか、そういう自覚がまるでなかった。
新庄課長は相変わらず彼女に未練があるようだし、安藤に関しても彼女を真剣に狙っている。
それからこれは……彼女の同僚である川島沙織から聞いた話だが、何でも同期入社で営業課のエース、上條斗真が彼女を好きだとか。
当の彼女はまるでそれに気付いていないらしいが、この分だと上條斗真がアクションを起こす日も近いんじゃないかという話だった。
……自分勝手は百も承知だが、俺に見向きもしない彼女が恨めしく思え、ついついつまらない意地悪や素っ気ない態度を取ってしまっていた。
それが拍車をかけてしまい、俺と岩本菜月の距離はいっこうに縮まらない。
『くれぐれも俺をオトそうとか考えないで下さいよ。俺、何の取り柄もないアラサーなんか興味ないんで』
つくづく、こんな事を言わなければよかったと後悔したが、後のまつりだ。
岩本菜月は手強かった。
ふたりで熱くて甘い夜を過ごしたのに、次に会った時にはそれを全く感じさせなかった。
一方俺はというと……見事に落ちてしまっていた。
彼女……岩本菜月に。
俺の腕の中での彼女は本当に可愛くて、この先、この人が他の誰かのものになる日が来るかも知れないと思うだけで胸が焼けるようだった。
なのに、彼女には自分が可愛いとか魅力的だとか、そういう自覚がまるでなかった。
新庄課長は相変わらず彼女に未練があるようだし、安藤に関しても彼女を真剣に狙っている。
それからこれは……彼女の同僚である川島沙織から聞いた話だが、何でも同期入社で営業課のエース、上條斗真が彼女を好きだとか。
当の彼女はまるでそれに気付いていないらしいが、この分だと上條斗真がアクションを起こす日も近いんじゃないかという話だった。
……自分勝手は百も承知だが、俺に見向きもしない彼女が恨めしく思え、ついついつまらない意地悪や素っ気ない態度を取ってしまっていた。
それが拍車をかけてしまい、俺と岩本菜月の距離はいっこうに縮まらない。
『くれぐれも俺をオトそうとか考えないで下さいよ。俺、何の取り柄もないアラサーなんか興味ないんで』
つくづく、こんな事を言わなければよかったと後悔したが、後のまつりだ。