ミステリアスなユージーン
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「マジーッ!?寝たの?!」

抑え気味の声に反比例した沙織の瞳が、星よりも輝いて見える。

午後六時半。

場所は、駅からは距離があるけど私と沙織のお気に入りの居酒屋《えにし》の一番奥の座敷だ。

私は一口飲んでテーブルに置いたジョッキを見つめながら、コクンと頷いた。

「どうだった?!」

どうって……すごく……。

私は佐渡君とのあの夜を思い起こしながら、ざわめく店内に視線を巡らせた。


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二日前。

「キスだけで終わらせるほど、お互いに幼くないでしょう」

再び唇を合わせた後、佐渡君は寝室のベッドに私を降ろして至近距離からこちらを見つめた。

レースのカーテンからは小さな夜の明かりが点々と見えている。

「どっちを向いているんですか」

「いや、何階なのかなーって思って」

「カーテン開けてても誰にも見られない階ですよ」

どうでもいいといったように早口でそう言うと、佐渡君は私の真正面で膝をつき、腕をクロスさせて自分のシャツに手をかけた。

薄明かりの中で見る彼の裸の身体は、鍛えているのがはっきりと分かるほど美しかった。

この身体に抱き締められたら、私は一体どうなるのだろう。

欲しいと思った。

この逞しい身体が、欲しい。

私は彼の首に両腕を回すと小さく囁いて、彼の鎖骨に唇を押し当てた。
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