ミステリアスなユージーン
「や、ちょっと岩本さん……俺、」
フフッ、焦れ、気を揉めっ!
外見からは想像できない焦りっぷりに笑いが込み上げてきたその時、エレベーターが5階に到着し、ドアが開いた。
「あ!岩本さん、おはようございます!」
「安藤くん、おはよ。どこ行くの?」
すれ違うようにしてエレベーターに乗り込む安藤くんが、少し早口で答えた。
「営業部の同期のところにインテリアのカタログ頼んでたんで取りに行くんです」
「マジで?後で私にも見せて!実は骨董品店のSDで悩んでるんだよね」
「いいですよ。じゃあ今日一緒にランチどうですか?もしよければその時にアドバイスもらいたいなあ」
「もちろん」
「やった!じゃあ」
安藤くんはボタンを押してドアを閉めながら、少し私に手を振るとニッコリと笑った。
……可愛い。安藤くんは可愛い。
茶色の人懐っこい瞳が私を優しく見つめていて、思わずキュンとしてしまう。
その時後ろから、恐ろしいほど冷めた声が耳に届いた。
「全くあなたは飢餓状態ですか、みっともない。男にガツガツしすぎです」
……なんなのよ、こいつはっ!
「ガツガツしてるよ?私、婚活中だからね。だけど、四六時中男の事ばかり考えてる訳じゃないから。仕事は真剣にやってるし佐渡君に私のプライベートに踏み込んでほしくない」
フフッ、焦れ、気を揉めっ!
外見からは想像できない焦りっぷりに笑いが込み上げてきたその時、エレベーターが5階に到着し、ドアが開いた。
「あ!岩本さん、おはようございます!」
「安藤くん、おはよ。どこ行くの?」
すれ違うようにしてエレベーターに乗り込む安藤くんが、少し早口で答えた。
「営業部の同期のところにインテリアのカタログ頼んでたんで取りに行くんです」
「マジで?後で私にも見せて!実は骨董品店のSDで悩んでるんだよね」
「いいですよ。じゃあ今日一緒にランチどうですか?もしよければその時にアドバイスもらいたいなあ」
「もちろん」
「やった!じゃあ」
安藤くんはボタンを押してドアを閉めながら、少し私に手を振るとニッコリと笑った。
……可愛い。安藤くんは可愛い。
茶色の人懐っこい瞳が私を優しく見つめていて、思わずキュンとしてしまう。
その時後ろから、恐ろしいほど冷めた声が耳に届いた。
「全くあなたは飢餓状態ですか、みっともない。男にガツガツしすぎです」
……なんなのよ、こいつはっ!
「ガツガツしてるよ?私、婚活中だからね。だけど、四六時中男の事ばかり考えてる訳じゃないから。仕事は真剣にやってるし佐渡君に私のプライベートに踏み込んでほしくない」