ミステリアスなユージーン
∴☆∴☆∴☆∴
「徹夜って事は……会社に泊まるんですか」
定時後、ブレイクルームでコーヒーを飲んでいた私は、佐渡君の問いに軽く頷いた。
「うん」
「そこまでしなきゃならないんですか?呉服店には無理だと言えばいいじゃないですか」
「それは絶対にダメ」
「何故です?」
私は佐渡君の問いに答えず、唇を引き結んだ。
「佐渡君、もう帰っていいよ。お疲れさま」
少しだけ緩い雰囲気の漂う定時後のオフィスは、人もまばらだ。
結局私のチームは、休日返上で『呉服桜寿』のプロジェクトを進める決意を固めた頼もしい人間ばかりだった。
それに安藤くんは連休の間手伝ってくれる事になり、なんとか人員は確保できた。
「俺がいても何の役にも立たないって言いたいんですか?」
「そうじゃないけど佐渡君って、私の事嫌いでしょ?前に『何の取り柄もないアラサー』って言ってたし」
急にこんなことを言い出した私に面食らったのか、佐渡君は両目を見開いた。
「私は今から自分の持ってる全てをスペースデザインに注がなきゃならない。私を指名してくれて、私の手掛けた空間を待ってくれている人がいる。今夜やる仕事は行程の中でも一番重要な事なの。モチベーションを上げて取りかからなきゃ携わる全ての人に迷惑がかかる。だから、私を否定する人間とはいられないのよ」
「徹夜って事は……会社に泊まるんですか」
定時後、ブレイクルームでコーヒーを飲んでいた私は、佐渡君の問いに軽く頷いた。
「うん」
「そこまでしなきゃならないんですか?呉服店には無理だと言えばいいじゃないですか」
「それは絶対にダメ」
「何故です?」
私は佐渡君の問いに答えず、唇を引き結んだ。
「佐渡君、もう帰っていいよ。お疲れさま」
少しだけ緩い雰囲気の漂う定時後のオフィスは、人もまばらだ。
結局私のチームは、休日返上で『呉服桜寿』のプロジェクトを進める決意を固めた頼もしい人間ばかりだった。
それに安藤くんは連休の間手伝ってくれる事になり、なんとか人員は確保できた。
「俺がいても何の役にも立たないって言いたいんですか?」
「そうじゃないけど佐渡君って、私の事嫌いでしょ?前に『何の取り柄もないアラサー』って言ってたし」
急にこんなことを言い出した私に面食らったのか、佐渡君は両目を見開いた。
「私は今から自分の持ってる全てをスペースデザインに注がなきゃならない。私を指名してくれて、私の手掛けた空間を待ってくれている人がいる。今夜やる仕事は行程の中でも一番重要な事なの。モチベーションを上げて取りかからなきゃ携わる全ての人に迷惑がかかる。だから、私を否定する人間とはいられないのよ」