ミステリアスなユージーン
「うーん、コンビニに行くか牛丼屋さんに行くか迷うわあ!」

おおよそのデザインが完成したから少しだけ気が楽になり、私は口に出してこう言うと、財布を手にオフィスを出た。

その時、何か動いた気がして思わず立ち止まる。

だってエレベーターホールに続く廊下に一瞬黒い影が見えた気がしたんだもの。

……人っぽかったけど……。

「……誰かいるんですか?」

だって角を曲がった途端に鉢合わせたら怖いもの。

ここは自社ビルだけどセキュリティは万全だと思いたい……。

「誰かいるの?」

角になっている先の手前で声をかけるも返事は返ってこない。

5階にはSD課と資料室と会議室、それに展示室がある。

従って実質、オフィスはSD課しかないわけで……。

腕時計を見ると、午前零時になるところだった。

……気のせいかなぁ。

だってこんな時間に社内のエレベーターホールをうろつく暇人なんていないだろうし。

……行こう。お腹減ったし。

私は少し息をつくと、再び歩き出した。

その直後、心臓が止まるような出来事が私を襲った。

「きゃああっ」

角を曲がった途端、私は鉢合わせたのだった。ウロウロしていた男性と。
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