ミステリアスなユージーン
∴☆∴☆∴☆∴

んー……。

……なに……?

トクントクンと耳に鼓動が響く。

頬が温かくて気持ちいい。

ううん、頬だけじゃなくて、身体全体がホカホカするなあ。どうして?

確か昨日は……佐渡君が来てくれて……えーっと……。

眠気を押し退けながら、ゆっくりと考えていたその時、小さな吐息が聞こえた。

ん?

勿論、私じゃない。

その直後、額に柔らかな感触とフワリと小さな風を感じた。

その二つの正体を知ろうと、無意識にうっすらと眼を開けると佐渡君が見えた。

それも、有り得ないほどの至近距離に。

なんで?!

驚きすぎてまたしても石になってしまった気がした。

なんでこんなに近いの?!しかも寝てるし!!

佐渡君は眼を閉じていて、規則正しい寝息を繰り返している。

……ヤバい。ヤバすぎる。

混乱しすぎて思考が正常じゃないかもだけど、なんでこんなに近いのかを思い出さなければならない。

私は瞬きも出来ないまま、死に物狂いで昨夜の出来事を思い返そうとした。

『俺、本職柄文書にするのが得意なんで、手伝いますよ。帰っても大して寝る時間ないですし』
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