ミステリアスなユージーン
私は佐渡君から手渡された書類に眼を通すと、思わず口を開いた。

「凄い……。業者さんの作業日数や休日対応まで調べたの?それに材料手配表なんて、うちに来て間がないのに、大変だったでしょう?!」

驚きのあまり食い入るように佐渡君を見つめると、彼は淡々とこう答えた。

「いえ。過去の資料が実に分かりやすくファイリングしてあったからですよ」

「でも……普通はここまで出来ないよ。凄く嬉しい!ありがとね、佐渡君。仕事が落ち着いたら一杯おごるよ」

本当に助かった。

本音を言うと……SD未経験の佐渡君は使い物にならないと思っていた。

でも、先を読む力や行動力もあるし、頭の回転も早い。

チームにとって戦力になりそうだ。

「この分じゃ、徹夜の日数が減りそう」

私の独り言に佐渡君が反応した。

「これからも徹夜するんですか?」

「するよ?施工が始まると現場に泊まりこむなんてザラなの。でも連休に予定を空けてくれた安藤くんが一緒に泊まりでやってくれるっていうから、かなりはかどると思うんだ」

「二人だけでですか」

「多分ね。他の皆は毎年GWは帰省するんだ。大きな施工は業者に任せるから、細々したものは二人でやるよ」

「……」
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