開かずの教室

「ずっと昔、とても不幸な事故があったの」

その子は科学クラブに所属する三年生の女子。成績はトップクラス。そして、誰もがうらやむような容姿をしていた。

卒業を控えた三月。

彼女は、沢山の思い出がつまる理科室にやってきた。そして、白衣を着ると最後の実験をはじめた。

事故はそのとき起きた。

失敗するはずのない簡単な実験。間違えるはずのないなれた手順。

しかし、事故は起きた。

小さな爆発。飛び散るガラスの破片と薬品。

命に別状は無かった。しかしその事故は彼女から美しさを奪ってしまった。
< 10 / 19 >

この作品をシェア

pagetop