空と君とダイヤモンドと
「はぁー」



瑛梨奈が俺の彼女じゃなくなった。
それがこんなにも心を痛めるなんて。
いままでと同じだって思ってた。

でも、告げた時の瑛梨奈の顔が忘れられなくて
頭を支配してて。
どうしたらいいのかわかんない。



「っ…」



塁さんの部屋のドアが皮肉にも少し空いていた。
中にはスマホの画面をぼーっと見つめる瑛梨奈がいる。



俺は手の中にあるそれをぐっと握りしめる。
本当はずっとあげたいと思っていたクリスマスプレゼント。



「これ、やるよ」



気がついたら塁さんの部屋に入っていた。



「え、ワカ!?」



瑛梨奈の目には涙が溜まっていて。



「あげようと思ってたクリスマスプレゼント」



瑛梨奈の隣に歩いていってテーブルの上に乗せる。



「幸せにしてあげれなくてごめんね」



座っている瑛梨奈を抱きしめる。



「ワカ?」


「塁さんに幸せにしてもらえよ」



それだけ言うと立ち上がって、部屋から出ていった。

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