空と君とダイヤモンドと
「選手目当てなんて言ってさ」



はぁっとため息をつく。



「あーそんなこと言われたね」


「は?忘れてたの?謝り損じゃね?」



テーブルに顔を伏せる。



「覚えてるに決まってるでしょ。嫌いになろうとまでしてたのに」


「嫌いになられなくてよかった」


「どうだろう?」



あたしは鼻歌を歌いながらノートをしまう。



「は?嫌いなの?」



不安な顔をしながらあたしの腕を掴む。



「…なわけないでしょ。親友になれそうとか思ってるよ」


「…親友か」



ワカがどこか遠くを見つめる。



「ワカ?」


「なんでもねぇ。でも、すげぇな。瑛梨奈」


「え?」



ワカの言葉に首を傾げる。



「ノートとか作って。ここまでするマネージャーみたことない。尊敬だわ」



あたしの頭を撫でる。



ワカの手は塁くんの手とはまた違って。
塁くんは心臓が破裂しそうだけど
ワカの手はなんだか心地よかった。
意識してないからなのかな。


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