【完】蜂蜜色のヒーロー。


そこで、正直に言ってもらって構わなかったのに、あろうことか彼は、


『さっきジュースかぶりました』


と私の身の上に起こったことを、さも自分に降りかかったように話した。HR前に、私に借りに来たブレザーを見せて、先生は信じたみたいだけど。



どう考えても、サイズがおかしいのは言うまでもなくて。



一瞬のことだったから、誰も気がつかなかったみたいだけど、私はひやひやしていた。



シャツ1枚で入学式に出るのは、当たり前だけど彼だけで、だいぶ目立っていたし、噂すらされていたけど、本人は気にしてないみたいだった。


本当は、私がああなるはずだったのに。



「やっぱり、お礼したほうがいいよね」


「お礼って? 具体的になにするの?」


「……なにか買う、とか」


「あ、なるほどね」


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