【完】蜂蜜色のヒーロー。
贅沢は言わねぇから、隣にいさせてほしい。
「おい待てって〜」
朝食も抜いて、どんよりと落ち込む気持ちを持ったまま登校して。
「あっ、御津くんおはよう! あのっ、これ……読んでほし───」
「……邪魔、どいて」
「あ、でも……!」
「それがラブレターなら読まねーから」
大人しそうな女の子を押し退けて、苛立つ気持ちを抑える努力をしつつ───抑えられないまま、靴箱を開けた。
「……!」
そこには、見慣れたバンダナに包まれた四角い箱と、ピンクのラッピングされた袋があって。
俺の誕生日に、お会計しようとして(俺が払わせなかったけど)開けた鞄の中から見えたその袋は。
明らかに誕プレでしかなくて。