【完】蜂蜜色のヒーロー。
「っ……はあ……っ」
膝に手をついて息切れする私を振り返った御津くんは、相変わらず感情の視えない顔をしていた。
どうしよう……まだ、なに言うか決めてないのに。
「俺……言いたいことがあ───」
「……待って!」
慌てて御津くんの口を両手で押さえると、彼は驚いたように目を見張って、この手どかして、とでも言うように私の手首を握る。
もちろん、離す気はないけど。
「今回は、……私のほうから話させてほしいの」
「………」
こくりと頷いた御津くんは、ポケットからスマホを取り出した。