冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
そのテラス席となれば、雲の上の場所だった。どうすれば手に入るのかも分からない。
クラウスはことも無げに、そこへ連れて行ってくれるという。
もちろん嬉しい、そして恐れ多い。
これもリアネルの一件が影響しているのだろうかと推測するものの、それ以上のことはやはり何も分からないままだ。
用意された新しいドレスは、濃淡に色合いを変えて染められたブルーグレーのチュール地で、身頃にはクリスタルがちりばめられている。
それを身に着けると、星の瞬く夜空をまとっているようなロマンチックな心地になれた。
演目が『七夜物語』と知らされて、フロイラの期待は最高潮だった。
七夜のおとぎ話の舞台は、一夜ごとに趣の違う夢の国で、舞台装置や衣装のきらびやかさで知られている。登場するのも一流の演者ばかりという豪華さだ。
「悪くないな」
ドレスを身に着けたフロイラを見て、クラウスはそう評した。彼にしてみれば、かなりの褒め言葉だろう。
「クラウス様もご立派でいらっしゃいます」
素直にその言葉をくちびるに乗せることができた。
クラウスはことも無げに、そこへ連れて行ってくれるという。
もちろん嬉しい、そして恐れ多い。
これもリアネルの一件が影響しているのだろうかと推測するものの、それ以上のことはやはり何も分からないままだ。
用意された新しいドレスは、濃淡に色合いを変えて染められたブルーグレーのチュール地で、身頃にはクリスタルがちりばめられている。
それを身に着けると、星の瞬く夜空をまとっているようなロマンチックな心地になれた。
演目が『七夜物語』と知らされて、フロイラの期待は最高潮だった。
七夜のおとぎ話の舞台は、一夜ごとに趣の違う夢の国で、舞台装置や衣装のきらびやかさで知られている。登場するのも一流の演者ばかりという豪華さだ。
「悪くないな」
ドレスを身に着けたフロイラを見て、クラウスはそう評した。彼にしてみれば、かなりの褒め言葉だろう。
「クラウス様もご立派でいらっしゃいます」
素直にその言葉をくちびるに乗せることができた。