冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
「そんな・・」
フロイラがクラウスの膝にすがる。
「犬に罪はありません。殺さないでください」
すっ、とクラウスがフロイラのあごに手をかけ、上を向かせる。
「俺よりも犬のほうが心配なのか、お前は?」
「いぇ・・・その、悪いのはわたしで・・・犬は教えられたことを忠実に・・・」
しどろもどろに言う。
ふん、とクラウスが鼻を鳴らすと、手を離す。
「優秀な番犬は貴重だ。早くこいつの匂いも覚えさせておけ」
かしこまりました、とリュカはうなずく。
「片手を怪我していては、日常に多少の不自由はありましょう。私が付いていますが、邸の管理もありますので。あなたもクラウス様によくお仕えください」
「・・はい」
クラウスがぽんと左の手のひらをフロイラの頭にのせる。びくん、とフロイラの肩が震えた。
「ーーーもう下がっていい。少し休め」
クラウスの言葉に、のろのろと立ち上がると、フロイラは肩を落として部屋を退出する。
フロイラがクラウスの膝にすがる。
「犬に罪はありません。殺さないでください」
すっ、とクラウスがフロイラのあごに手をかけ、上を向かせる。
「俺よりも犬のほうが心配なのか、お前は?」
「いぇ・・・その、悪いのはわたしで・・・犬は教えられたことを忠実に・・・」
しどろもどろに言う。
ふん、とクラウスが鼻を鳴らすと、手を離す。
「優秀な番犬は貴重だ。早くこいつの匂いも覚えさせておけ」
かしこまりました、とリュカはうなずく。
「片手を怪我していては、日常に多少の不自由はありましょう。私が付いていますが、邸の管理もありますので。あなたもクラウス様によくお仕えください」
「・・はい」
クラウスがぽんと左の手のひらをフロイラの頭にのせる。びくん、とフロイラの肩が震えた。
「ーーーもう下がっていい。少し休め」
クラウスの言葉に、のろのろと立ち上がると、フロイラは肩を落として部屋を退出する。