お見合い相手は冷血上司!?


 課長とホテルに併設されたレストランで簡単に昼食を済ませると、部屋の前で別れた。

 オムライスで満たされたお腹を擦ると、椅子に腰を落とす。

 彼と二人で食事をするのは、プラネタリウムに行った時と今日で二回目。
 この前は、顔もぐちゃぐちゃで、とてもじゃないがどこかお店へ入れるような状態じゃなかったので、課長がサンドイッチ店でテイクアウトしてきてくれたBLTサンドを車で一緒に食べた。
 車の薄ぼんやりとした黄色い照明の中、初めて食べたその店のサンドイッチは、とても美味しかった。

 そんな思いを巡らせていると、先ほどよりも重くなった雨粒の音に視線は誘われる。
 すぐ近くで威嚇するようにゴロゴロ……と唸り声を上げ始める雷に、思わず身震いした。

 雷は、あまり得意ではない。
 子供の頃、弟と二人でテレビでやっていた外国の映画を見ていた。その中に人が雷に撃たれてしまうシーンがあって、その日私と弟は眠れなくなってしまった。
 その映像が今でも忘れられなくて、ひどい落雷が続く日は、なるべく早く眠ってしまうようにしている。
< 100 / 195 >

この作品をシェア

pagetop