お見合い相手は冷血上司!?
「好きです、課長」

 「あぁ」と囁くような返事が返ってくることに、限りない幸福感が胸を満たした。

「鈴原、お前は凄いやつだな」

「そうですか?」

 小首を傾げると、彼は私の頭を撫でて、大切なものを抱えるように抱き締め直す。
 心地良くて胸元のシャツをそっと握ると、彼は小さく息をつきながら天井を仰いだ。

「あぁ、お前に負ける日が来るなんて、思わなかった」

「惚れた弱みっていうやつですね」

 思わず吹き出すように笑う。すると彼は抱き締める腕にグッと力を込めた。

「うるさい。そんなこと言うやつは……」

 抱えられたまま、私たちは背後にあったベッドになだれ込む。
 驚いて目を瞬かせると、目の前にある彼の顔は、甘く、緩やかに口角を上げた。
 誘われるようにキスを落とすと、彼は私の髪筋を辿っていくように頭に手を回し、逃げ道を奪っていく。
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