お見合い相手は冷血上司!?
――「何それ……? 亜子あんた、それでいいわけ!?」
ビールグラスの底を机に叩きつけた桃は、今にも食いかかってきそうなほど前のめりになる。
周りのお客さんがジロジロとこちらを見ているけれど、今の彼女の神経は全て私に注がれているようで、他は気にも留めていないようだ。
このままでは鼻がくっ付いてしまいそうなので、私はほんの少しだけ自分の椅子を後ろへ引く。
「いいも悪いもないよ。私が好きで、課長も私を好きでいてくれて、それだけで十分じゃない」
私が空いたグラスにビールを注いであげると、彼女は「ありがとう」と頭を下げて、そのあと首を左右に大きく振った。
「いやいや、三年、四年、それ以上の期間よ!? アラサー女の一年を舐めんなって感じ! しかも……連絡も取らないなんて、何考えてんの? そんなの、向こうは待ってないかもしれないじゃない」
彼女は最後の一文に気を遣ったのか、言葉は突然尻すぼみになる。