お見合い相手は冷血上司!?
 素敵な式は無事に終わり、出席者はみな二次会の会場へと向かう。
 私は司会の方の『ブーケ白羽取り!』と見事なツッコミのせいで、明日から変なあだ名がついてしまいそうだ。

 ジン、と痛む鼻を擦り、思い返してまた熱が上る。

「先に行ってて。後で行くから」

 私はそう告げて、庭の中を歩いた。
 見渡す限りに広がるバラは、赤、黄、ピンク、オレンジ、目移りするほどたくさんの花が咲いている。

 しかし私の足は、ある花を求めて進んだ。

「あっ、あった……」

 一枝にひときわ多くの花を付けた、純白色のバラ。
 数の多さは目を惹くものがあるというのに、細い首で少しうつむき加減に咲く、自信がなさそうな花。

 思わず目の前にしゃがみ込むと、私は懐かしさで胸がいっぱいになった。

「アイスバーグ、だったよね」

 細い枝は吹く風にさらさらと揺れて、まるで私の問いかけに答えてくれているように見える。
 すると膝の上に置いたブーケも転がり、私は慌ててそれを追いかけた。
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