お見合い相手は冷血上司!?
「課長! ま、待ってください!」
随分と先を歩いていた課長は足を止めると、徐に振り返る。乱れた呼吸を整えながら見上げると、彼は小さく鼻で息をついた。
「あの……課長が、どうしてここに?」
問いかけに、一瞬顔を顰める課長。
「さっきも言っただろう。俺が、お前の見合い相手だからだ」
「いや、あの、それは分かったんですけど……」
「早く来い」
再び歩き出した課長は、先ほどよりも早いスピードで進んでいく。
やっぱり機嫌が悪そうだ。そりゃそうか。せっかく来たお見合いの相手が、自分の部下だったんだもの。
彼に聞こえないように息をつくと、黙って後を追う。しかし一分もしないうちに、突然止まった大きな背中に勢い良くぶつかってしまった。
「イテテ……あ、すみません」
ジン、と痛む鼻をさすりながら顔を上げると、春独特の生暖かい風が首筋を撫でる。
随分と先を歩いていた課長は足を止めると、徐に振り返る。乱れた呼吸を整えながら見上げると、彼は小さく鼻で息をついた。
「あの……課長が、どうしてここに?」
問いかけに、一瞬顔を顰める課長。
「さっきも言っただろう。俺が、お前の見合い相手だからだ」
「いや、あの、それは分かったんですけど……」
「早く来い」
再び歩き出した課長は、先ほどよりも早いスピードで進んでいく。
やっぱり機嫌が悪そうだ。そりゃそうか。せっかく来たお見合いの相手が、自分の部下だったんだもの。
彼に聞こえないように息をつくと、黙って後を追う。しかし一分もしないうちに、突然止まった大きな背中に勢い良くぶつかってしまった。
「イテテ……あ、すみません」
ジン、と痛む鼻をさすりながら顔を上げると、春独特の生暖かい風が首筋を撫でる。