お見合い相手は冷血上司!?
「わ、私の気持ちはどうなるんですか!」

 いくら課長が決めたって、私の気持ちがない限り結婚なんて出来るはずもない。
 片方がいくら望んでも、相手の気持ちが伴っていないことには不可能だということは、私も痛いほどに理解していた。

「何だ。そんなことか」

「そんなこと? 結婚には一番大切なことじゃないですか」

 いくら好きだと言っても、私の気持ちを無視するなら、それは政略結婚や偽装結婚と変わらない。課長がそんなことを言うなんて、正直見損なった……。


「――俺を好きにさせればいいだけのことだろ」

 課長は、当然のように言い放った。
 驚いた私は、今度こそ空いた口が塞がらない。

「俺が本気でお前を惚れさせるって言ってるんだ。お前の方こそ、今から覚悟を決めておけよ。……俺は、優しくないからな」

 とっくに理解を超えていた彼が、また一つ、簡単に理解を飛び越えていった。
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