お見合い相手は冷血上司!?
「おはよう、ございます。……課長」
「おはよう。すぐに始める」
私の抱えていた物に一瞬視線を落とした彼は、無愛想な声でそれだけ告げると、またすぐに足を進めた。
さすがに、公私混同はしないか。
肩の力が抜け落ち、ひとまず緊張の糸は緩んだ。
「亜子ごめん! トラブルで急な電話が入っちゃって。準備してくれてありがとう」
最後のお茶と紙コップを並べ終ったと同時に、慌てた様子の桃が飛び込んで来る。
「私今日急ぎの用もないし、全然大丈夫だよ。それよりトラブルは大丈夫だったの?」
「ありがとう亜子ー。トラブルは……とりあえず課長が間に入って対応してくれることになった」
困ったように、苦笑いを浮かべる桃。
しかし、それを聞いて一安心だ。以前クライアントの急な要望で納期前日に揉めに揉めた時も、課長が間に入り、次の日にはクライアント側がまた頼むよ、と握手を求めてきたと聞いたことがある。
しかもそのCMが大きな賞を受賞したもんだから、そのクライアントは今ではすっかり我社のお得意様だ。
きっと今回も、良い方へ転ぶだろう。
「おはよう。すぐに始める」
私の抱えていた物に一瞬視線を落とした彼は、無愛想な声でそれだけ告げると、またすぐに足を進めた。
さすがに、公私混同はしないか。
肩の力が抜け落ち、ひとまず緊張の糸は緩んだ。
「亜子ごめん! トラブルで急な電話が入っちゃって。準備してくれてありがとう」
最後のお茶と紙コップを並べ終ったと同時に、慌てた様子の桃が飛び込んで来る。
「私今日急ぎの用もないし、全然大丈夫だよ。それよりトラブルは大丈夫だったの?」
「ありがとう亜子ー。トラブルは……とりあえず課長が間に入って対応してくれることになった」
困ったように、苦笑いを浮かべる桃。
しかし、それを聞いて一安心だ。以前クライアントの急な要望で納期前日に揉めに揉めた時も、課長が間に入り、次の日にはクライアント側がまた頼むよ、と握手を求めてきたと聞いたことがある。
しかもそのCMが大きな賞を受賞したもんだから、そのクライアントは今ではすっかり我社のお得意様だ。
きっと今回も、良い方へ転ぶだろう。