お見合い相手は冷血上司!?
 すると突如、キン、と鉄をぶつけたようなインターホンの音が響く。
 驚いて跳ね上がるけれど、すぐに隣の部屋にいる課長だろうと思い、鍵を開けた。

 ゆっくり扉を開けると立っていたのは、白のVネックカットソーに黒のパーカー、下はデニム姿の課長。

 私服姿を見るのは初めてだ。
 意外にカジュアルで驚いたけれど、何を着ても似合っているのが少し腹立たしい。

 思わず足元から上へと視線を流していると、顔を通過したところで視線が絡み合った。

「誰かも確認せずに開けるな」

「すみません。課長かな? って思ってしまって」

 『気をつけろ』と呟く彼は、小さく息をつく。
 それだけを言いにわざわざ来たわけではないだろうと、私は彼の次の言葉を待った。

「ニュース、見たか?」

「ニュースですか? いえ、まだテレビ付けてなくて」

 すると彼は目を細め、私を通して窓の外を眺めた。
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