浅葱色の記憶
「中山さん?佐久田です」
紙に書いてあった廃寺で、呼んでみる
「1人か?」
「はい」
大きな木の陰から、中山さんが現れた
「中山さん 考え直してくれましたか?」
「……」
「中山さん!!
死んじゃうかもしれないんですよ!?
兎に角、1度帰ってみてください!」
「こっちに戻って来れなかったら?」
「元は、向こうじゃないですか!?」
「佐久田だって、こっちに馴染んでる」
「私は… どちらにも居場所がない
だから、せめて中山さんだけでも…」
「俺は… もっと斬りたい…
この腕を試したい…」
「中山さん…」
私達の沈黙を破ったのは
パキッ
小枝の折れる音、振り向くと
斎藤さんだった
「斎藤さん!?」
つけられてた事に気がつかなかった
「佐久田」
月明かりに照らされた中山さんは
完全に目が正気じゃなかった
「中山さん… どうして…」
未来では、道場の子息、跡取りとして
有望な上、皆に慕われ
いつも明るく、笑っていた
私とは違う
光の当たる場所にいた
その中山さんが、暗闇の底なし沼のような
抜け出せないものにはまっている
「この前は、トドメをさせなかったけど
今日は、本気でやりますよ」
「こいよ… 佐久田」
「辞めないか!!2人とも!!
中山もサクタも、どうしたんだ!!」
紙に書いてあった廃寺で、呼んでみる
「1人か?」
「はい」
大きな木の陰から、中山さんが現れた
「中山さん 考え直してくれましたか?」
「……」
「中山さん!!
死んじゃうかもしれないんですよ!?
兎に角、1度帰ってみてください!」
「こっちに戻って来れなかったら?」
「元は、向こうじゃないですか!?」
「佐久田だって、こっちに馴染んでる」
「私は… どちらにも居場所がない
だから、せめて中山さんだけでも…」
「俺は… もっと斬りたい…
この腕を試したい…」
「中山さん…」
私達の沈黙を破ったのは
パキッ
小枝の折れる音、振り向くと
斎藤さんだった
「斎藤さん!?」
つけられてた事に気がつかなかった
「佐久田」
月明かりに照らされた中山さんは
完全に目が正気じゃなかった
「中山さん… どうして…」
未来では、道場の子息、跡取りとして
有望な上、皆に慕われ
いつも明るく、笑っていた
私とは違う
光の当たる場所にいた
その中山さんが、暗闇の底なし沼のような
抜け出せないものにはまっている
「この前は、トドメをさせなかったけど
今日は、本気でやりますよ」
「こいよ… 佐久田」
「辞めないか!!2人とも!!
中山もサクタも、どうしたんだ!!」