私たちの、歪な関係
一つは食べて帰って、もう一つは明日にでも食べよう。
それか、お母さんが食べるか。
そんなことを思いながらお会計を済ますと、持ってきたエコバッグに買ったものをはいるようにうまく入れていく。
よし。
全部綺麗に入った、とスーパーをでて帰路につくと私はすぐにアイスをガサゴソとだして食べ始めた。
「んー、おいひ」
すっかり日は落ち当たりは真っ暗だが、涼しい風が首筋を通り抜ける。
きもちい。
「優衣?」
呑気にアイスを食べながら歩いていると、後ろから声が。
振り返ってみると人影が一つ。
だけど真っ暗で誰かを特定することは難しい。
「?」
誰だろう……
「優衣だよね?」
声の主が近づいてきてやっとわかった。
「隼……」
そこには、私と同じようにスーパーで買い物をしたのか買い物袋をぶら下げてもう片方の手にはアイスを持つ隼の姿。
「偶然だね」
アイスも、と少しアイスを傾ける。
「ほんと。驚いた」
隼はそう言って笑うと、私の隣に来て一緒に歩き出した。