私たちの、歪な関係


そして歩き始めると私は思い出した。



なんだかこの屋台の熱気とか人の多さとか…


夏休み前に行ったお祭りのこと。

私が花音のおつかいで焼きそば買いに行ったら同じ学校の人に絡まれてこまってたら、隼がそれを助けてくれたんだよね。

そしてそのまま隼とお祭りをまわったんだ。

すごいたのしかったなぁ。

「………あれ?」


ぼーっとしていると、さっきまで手にあった隼の手の感覚がない。

そしてまわりに隼の姿もみえない。



「あちゃー……」


隼が迷子になったか、私が迷子になったか。


おそらく後者。

だって私がぼーっとしてて……


どうしようか…。


変に動いてすれ違ったら嫌だしなぁ…


でもここで突っ立っているのも邪魔だよね…

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